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 ――今日、この瞬間までは???――

 それは全て偶然が重なっただけの誤解だった。
 原因は、大和と坂井が二人きりだった事。
「最近疲れてないか?」
「えぇ、ちょっと最近ちゃんと寝れなくて」
 眠そうにに目を擦る大和。
 原因は、大和が寝不足だった事。
「ふわッ!?」
 立ちくらみした大和は自然と坂井に寄り掛かった。
「大丈夫か?」
「あ、はい」
 原因は、大和が立ちくらみして坂井に寄りかかった事。
 原因は、そんな何気ない行為を遠くで愕然として見ている者がいた事。
 原因は、それが本当に偶然通りかかった翔輝と武蔵だった事。
 原因は、二人の位置からだと、大和達が――キスしているように見えた事。
 ただ、それだけだった???
「???翔輝???ッ!」
 武蔵にはわかっていた。確かに姉は最低な女だが、そこまでひどい女でないと思っていたから。だから、すぐにあれは誤解だとわかった。
 だが、翔輝は???http://www.cnqxw113.com/
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「あ、ああ、うあ???ぅ???」
 よろよろと後退した。その表情はもはや表現できないほどの驚きと悲しみの二色だけだった。そして、
「う、うわあああああぁぁぁぁぁッ!」
「???翔輝!」
 突然脱兎の如く走り出した翔輝を、武蔵は追った。その謎の声は、大和達にも届いていたが、二人は何の声かわからず、困惑するだけだった。
 全力疾走する翔輝はあっという間に武蔵を引き離した。引き離された武蔵は手当たり次第翔輝を探すしかなかった。
 走り続けた翔輝はいつの間にか甲板に出ていた。
「嫌だ! 嫌だあああああぁぁぁぁぁッ!」
 暗い夜の中を、翔輝は叫びながら走った。
 覚悟していたとはいえ、あれは限界だった。
 もう、大和は自分には帰ってこない。そう思うと、涙が止まらない。
 翔輝の心は、崩壊を始めていた。
「うわあああああぁぁぁぁぁッ!」
 叫びながら走る翔輝の足に限界が来た。足がもつれ、そのまま転倒した。運悪く、そこはラッタルだった。翔輝はラッタルを転がった。体中に痛みが走る。だが、翔輝の身体は階段を転げ落ちる。その先は――海だった。
 バシャンッ!
 翔輝はそのまま海に投げ出された。
 体中が海の心地良さに吸い込まれた。心が冷たくなっていくのを、翔輝は怖いともなんとも思わなかった。
 大和はもう戻ってこない。
 心の支えが大破した翔輝は、もう何も考えられなかった。
 上を見ると、きれいな星空があった。翔輝はそれを見て、泣いた。
「翔香???」
 そう自分の亡き妹の名を呼ぶと、翔輝の意識は途絶えた。

 翔輝が海で浮かんでいるのを発見されたのは、それから六時間後の朝の事だった。誤解の連鎖で二人の絆は完全に崩壊した。支えを失った翔輝は倒れ、信頼を裏切られた大和は泣き崩れる。そして、失われた絆はもう二度と戻らないのか。
だが二人の絆は、離れる事を望んでいなかった。
《艦魂年代史 ?ドキッ☆恋する乙女は大艦巨砲主義?》の動乱編、《坂井の乱(仮)》の完結編。どうぞ。
 病状は芳(かんば)しくなかった。ラッタルを転げ落ちた事で全身打撲だらけの上、頭部をラッタルで打ったらしく、頭には痛々しく包帯が巻かれている。さらに南国と言っても一晩中水に浸かってれば風邪を引くのは当然。それが例え三八度台の悪性だとしても、全て当然の事だった。
 だが、今の翔輝にはどうでも良かった。
 多くの艦魂に心配されている翔輝は――もう、彼女達の知っている翔輝ではなくなってしまったのだから???

 翔輝の意識はあった。だが、何度呼びかけても返事がない。まるで心がここにないような、目の前にい
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# by okokabcd | 2013-10-21 15:11
に、翔香さんの星や、陸奥さん霧島さんの星があるんだ)
 大和は翔輝の言葉を自然と信じられた。そう思うと、少し悲しみが軽くなった気がした。
 そんな夜の世界に心を落ち着かせている二人に対し、武蔵は表情を変えずに無表情を貫いていた。
「???翔輝」
 武蔵は翔輝の服の裾を掴んだ。振り向く彼を、武蔵は邪念のない純粋な瞳で見詰める。
「???夜の星空に心を寄せるのは悪くない。でも、輝く太陽の下で生きた方がいい。翔輝には、星の下じゃなくて紺碧の空の下で生きてほしい」
 武蔵はそう力強く訴える。翔輝がもう一度太陽の下で生きてくれるように、
 そんな武蔵を、翔輝は笑顔で見詰める。
「わかってるよ」
 そう答えると、突如翔輝はお腹を抱えて笑い出した。
「???な、何?」
 武蔵が混乱したような顔で見詰める。そんな彼女を、翔輝は目の縁に涙を溜めて笑いながら見詰める。
「なんかさ、お前らを見てたら嬉しくなっちゃってさ。まだ僕にはお前達が残ってるんだなって思ってさ」
「???翔輝」
 翔輝はそう言うと、立ち上がった。おもむろに武蔵の頭を撫で、そのまま抱き締めた。急激な状況変化に武蔵は顔を真っ赤に染めて慌てる。
「???しょ、翔輝? な、何するの?」
「なんか、急に抱き締めたくなったから」http://www.wnaozs.com
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「???そ、そう」
 武蔵はしばらくすると、そのまま翔輝の腕の中に落ち着いた。その表情は翔輝から見えないが、大和から見れば一目瞭然。彼女らしくなく口元が緩んで瞳は幸せそうに細まり、大好きな主人の膝でくつろぐ子猫のような顔をしている。
「むぅ???」
 大和は頬を膨らませて翔輝と武蔵を睨む。最近武蔵ばかりおいしい思いをしている。すごく不満だ。その時、大和と武蔵の視線がぶつかった。その瞬間――ニヤッ???
「なぁッ!?」
 武蔵は勝ち誇った笑みを向けたのだ。大和は唇を噛んで悔しそうに武蔵を睨み付ける。その怒りは自然と翔輝の方に向く。
「中尉。私の妹を勝手に抱き締めないでください」
「え? あ、ごめん」
 翔輝は武蔵を離すが、武蔵は翔輝の服の裾を掴んで離れようとしない。そんな身勝手な妹の態度に、大和はキレた。
「いい加減にしなさい武蔵ッ!」
 大和は武蔵の手を掴んで無理に引き剥がす。そして、
「中尉に抱いてもらうのは私なんだから」
「って、大和!?」
 大和は翔輝に抱き付く。焦る翔輝をよそに大和は幸せそうな表情をする。そんな大和を無表情の武蔵が見詰める。だが、その口元は悔しそうに歪み、両手は腰のホルスターに伸びる。
「ちょっと待って武蔵ッ!」
 翔輝は手でバツ印を作って武蔵を止める。こんな所で発砲すればとんでもない事になる。艦魂は単身では死なない為死ぬ心配はないが、世界最大最強の戦艦同士が争えば、その被害は甚大だ――まぁ、艦魂同士で戦えば確実に武蔵が勝つと思うが。
 武蔵は不機嫌そうな顔を向ける。
「???姉さんは、ずるい」
「ずるいのはあなたでしょ? いっつも中尉に優しくしてもらって」
「???それは姉さんに魅力がないだけ」
「なぁッ!? この妹が???ッ!」
「???何? 姉」
 大和は武蔵と取っ組み合いのケンカを開始した。と言っても攻撃をしているのは一方的に大和の方であって、武蔵は一方的にやられている。が、さすが武蔵。大和の攻撃を全て防御している。だがさすがにこのままにしておく訳にはいかず、翔輝は攻撃する大和を武蔵から引き離す。
「ちゅ、中尉!?」
「ほら、妹に殴り掛かるなんて姉として失格だぞ?」
 翔輝が後ろから抱き締めるようにして大和を武蔵から離すと、難なく大和はおとなしくなった。その頬は赤く染まり、なぜか嬉しそうな表情を浮かべる。
「???何で笑ってるの?」
「えへへ、別に?」
「?」
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# by okokabcd | 2013-10-17 14:19
吮伺???ッ!」
「そういう考えをする事自体信じられない」
 秋雲の言葉をバッサリと切り捨てる。いつもはやさしい雪風も、帝国海軍軍人なのだ。
「お義姉さん???」
「巻雲。あなたも一体何を考えて――」
「雪風。やめて」
 大和の言葉に、雪風は顔をしかめる。
「ですが司令。あなたの温情ある処分には二人の姉として感謝しますが、こんな考えを持っているのは危険すぎます」
「それぞれ色々な考えを持っている。仕方ない事です」
「司令???ッ!」
 食い下がる雪風を止め、大和は二人に向く。その顔はいつになく疲れている。
「秋雲、巻雲。長門さんに雑用を聞いてそれを行って。私は疲れた」
「「はい???」」
 そう言い残し、大和は一人通路の先に消えて行った。

「どうしたの? 疲れたような顔してるけど」
 航海室で海図の山に埋もれていた翔輝に会いに来たのはもちろん大和だ。
「いえ、ちょっと???」
 近くにあった椅子に腰掛ける大和に対し、翔輝は立ち上がろうとして何かに躓いて海図の山の中にこけた。
「あーッ! もう海図がすご過ぎるんだよぉッ!」
「何でそんなに海図を散らかしてるんですか?」http://www.xjdqwx.com
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「???整理してるんだけど」
「どう見ても散らかしてる様にしか見えないんですけど」
「???」
 沈黙する翔輝を見て、大和は小さく笑った。
 それから少し経ち、翔輝はようやく南太平洋諸島周辺の海図を片付け、休憩という事で大和の隣の椅子に座った。
 もう冷めてしまったコーヒーを飲み、翔輝はようやく落ち着いた。そこで再び落ち込んでいる大和を心配そうに見詰める。
「大和。本当にどうかしたの?」
「うん???」
 そこで大和はようやく口を開いた。
「あの???秋雲と巻雲が軍規違反を起こした挙句???戦意を失ってしまったんです」
「はぁ?」
 大和は説明した。秋雲と巻雲が軍規違反を起こして敵空母の艦魂に会った上に、その空母と親しくなってしまい、戦う事に疑問を持ってしまった事を。
 しばらく翔輝は黙ってそれを聞いていたが、
「駆逐艦がね。まぁ、艦魂それぞれの考えもあるだろう」
 それが翔輝の答えだった。そんな翔輝の返答に大和は驚く。
「いいんですか? 明らかに非国民なんですよ?」
「そう言われてもね。実際戦いたくないのに戦争だからって無理やり戦っている奴もいる。中には捕虜にした敵兵に情を入れてしまって戦えなくなった、彼女達みたいな連中もいる。アメリカ人やイギリス人に友人を持つ軍人もいる。まぁ、日本国民全てが戦争万歳って訳じゃないのさ」
 翔輝のすさまじい爆弾発言に、大和は瞳を大きく見開いて驚く。
「そうなんですか? 国民のみんなが戦争を望んでるんじゃないんですか?」
「そりゃそうだ。全てが同じ考えを持つなんて、人間には不可能さ」
 翔輝の言葉に、大和は意気消沈する。そして、ふと思う。
「少尉はどうなんですか?」
「僕?」
 突然の事に翔輝は不思議そうに首を傾げる。そんな翔輝を大和は真剣な瞳で見詰める。
「少尉は戦争万歳ですか? それとも反対ですか?」
「僕は中立だけど」
「いや、そこんとこもうちょっとはっきり」
「うーん、どちらかって言えば反対かな?」
 その答えに大和は驚き、悲しげな瞳を揺らす。
「ど、どうしてですか?」
「そんなの、戦わなければ一番いいだろ? それに元々僕は戦いたくて海軍に入った訳じゃないし」
 その翔輝の驚愕的な爆弾発言に大和はすさまじく驚く。
「え? そ、そうなんですか? じゃ、じゃあ、どうして????」
 震える声で問う大和に、翔輝は小さく悲しげな笑みを浮かべる。
「うん? 海軍に入ったのは生活を楽にする為だよ。海軍は給料がいいからね。まだ翔香も生きてて、生活費は必要
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# by okokabcd | 2013-10-16 15:33

 艦魂達の士気も下がり、とても戦争ができるような気分にはならなかった。
 しかし、同年八月五日、ミッドウェー海戦から二ヵ月後のその日、その大和を元気づけるには十分すぎるほどの出来事があった。
 日本海軍最後の戦艦である大和型戦艦二番艦?超弩級新鋭不沈戦艦『武蔵(むさし)』――つまり、大和の妹が誕生したのだ。

 柱島に現れた『大和』そっくりの新鋭戦艦『武蔵』。真新しく、金属特有の鈍い光で艦体はキラキラと輝いている。
 『大和』と同じく世界最大最強の四六cm砲を三基九門搭載されているその浮かべる城は、世界最強の称号に相応しい勇ましさを輝かせていた。
 そんな『武蔵』は姉艦『大和』の隣に横付けされた。
 両艦は素人では見分けがつかないほどにそっくりだったが、『大和』には連合艦隊旗艦の証、連合艦隊司令長官山本五十六大将の大将旗がマストに掲げられている。それに対し『武蔵』は軍艦旗のみしかはためいていなかった。
 しかし、『武蔵』は『大和』より旗艦としての司令設備が充実しているので、旗艦変更は時間の問題と言われていた。
 だが、全長二六三mもある世界最大最強の戦艦が二隻並んでいると、その勇ましさは桁が違う。すさまじい威圧を放ち、その光は神々しい。
 まさに、二隻は大艦巨砲主義の申し子であった。
 そして、戦艦『武蔵』は『大和』と同じ代々最強の戦艦が配置される第一戦隊に配属される事になった。

 『大和』の甲板には大勢の女性――艦魂が集まっていた。
 先頭は大和。隣には大和に無理やり呼ばれた翔輝。その後ろに長門以下戦艦艦魂。そしてその後ろに二人に減ってしまった主力空母艦魂、翔鶴と瑞鶴。さらには軽空母の艦魂がいて、さらに後方にはその他大勢の艦魂がいる。
 そして、大和の数メートル前に光が発生して中から大和に似た、大和よりさらに若い、というか幼い十二歳くらいの真っ白(今は夏なので全員白色の夏服)な第一種軍装に身を包んだ少女が現れた。長髪の大和に対し少女は肩にさらりと髪がかかる程度のセミロングだ。
 大和ぐらいならまだ笑いですむが、目の前の少女の軍服姿は笑いを通り過ぎて滑稽(こっけい)にすら見える。だが、その身体から放たれるオーラはどの艦魂よりも力強い。
 喜怒哀楽が豊富な大和に対し、少女は山城と同じく無表情だった。
 少女はゆっくりと大和達に近づき、大和の前で静かに敬礼した。http://www.cnqxw113.com
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「???大日本帝国海軍大和型戦艦二番艦?戦艦『武蔵』の艦魂」
 無表情少女――武蔵はそう名乗ると目の前にいる緊張した顔をした大和を見詰める。
 大和は緊張しながら初めて会う自分の妹に向かって敬礼した。
「大日本帝国海軍大和型戦艦一番艦?連合艦隊旗艦?戦艦『大和』艦魂――あなたの姉です」
 今ここに、姉妹が初対面した。
 大和は嬉しそうに微笑んで手を伸ばす。握手の合図だ。武蔵はそれに気づき、無表情のまま手を差し出す。
 二人の手はがっちりと結ばれた。
 その瞬間、爆発音のような歓喜の叫びがと拍手が天高く響いた。
 意気消沈していた艦魂達にとって、武蔵の誕生は士気を上げるには十分すぎた。なにせ日本海軍は航空時代を自ら幕開けさせたというのにいまだに大艦巨砲主義を信じている。そんな彼女達に大艦巨砲主義の王者とも言うべき武蔵は神のような存在であった。大和と武蔵が並んだ今、艦魂達の士気や戦意は急上昇した。
 大和は笑顔で自分の妹を見る。
「武蔵。私の事は『お姉ちゃん』って呼んで」
 大和の恥ずかしそうな顔での注文に、武蔵は初めて表情を変えた。だが、すぐに先程のような無表情に戻る。
「???嫌だ」
 その予想していた反応に、大和はがっくりと落胆する。
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# by okokabcd | 2013-10-14 14:59

「わし等と同じじゃ」
「つまり我等と同じ者達を相手にする」
「それならばですか」
「そうじゃ。そうであればわかることも多い」
 相手がどれだけ強敵であろうともだ。同じ存在ならばだというのだ。信長がここで話したいのはこのことだった。相手が大名なら自分達と同じだというのだ。
 しかしだ。相手が一向一揆ならばだ。どうかというのだ。
「しかし一向一揆は違う」
「相手は百姓、そして坊主ですな」
 森がだ。ここで彼等を話に出した。
「あの者達ですな」
「そうじゃ。そういった者達じゃ」
 それならばだというのだ。信長の話はその核心に入った。
「かといって僧兵ともちと違う」
「延暦寺によくいるですか」
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「僧兵については歴史に古くからある」 
 僧兵についてもだ。信長は簡潔に述べることができた。
「いざとなれば念仏を唱えたり御仏がどうかとか言い出し隠れようとするがじゃ」
「しかしそれでもですな」
「一向宗よりはですか」
「何かとわかることが多いわ」
 彼等についてもだ。そうだというのだ。しかしなのだった。
「だが一向宗は百姓でしかも普通の一揆ではない」
「後ろに坊主がおる一揆ですか」
 池田が眉を顰めさせて言った。
「坊主が煽りそれで大々的に起こさせる一揆ですな」
「だからこそ厄介なのじゃ」
 眉を顰めさせてだ。信長は二人に述べた。
「恐ろしい数の百姓共が襲い掛かって来るのじゃ。鍬や竹槍を持ってな」
「鍬に竹槍、それに鎌に斧ですな」
 森は百姓達が持つ武器をだ。言うのだった。
「ああしたものはどれも何処にでもありながら恐ろしい武器になります」
「そうじゃ。まことに何処にでもあるからこそすぐに襲い掛かることができる」
 信長はまた指摘した。このことをだ。
「それこそ一瞬で武器を持った者共が来るのじゃ。尚且つあの者達は死を恐れぬ」
「念仏を唱えておれば死んでも極楽に行ける」
 池田は一向宗の教えを口にした。
「そう信じているからですな」
「そういうことじゃ。いきなり大勢の命知らずが出て来て襲い掛かって来るのじゃ」  
 信長は眉を顰めさせたままさらに述べた。
「これだけ厄介なものはないぞ」
「では。その一向宗とは」
「今後は」
「揉めたくはない」
 これが信長の本音だった。紛れもなく。
「しかし本願寺は多くの土地があり尋常ではない寺や門徒がおる」
「その力、侮れませんな」
「実に」
「下手な、いやどの大名達よりも強い力を持っておる」
 まさに国だった。本願寺は。
「その存在をどうにかせねば天下統一はならぬであろうな」
「ではまさか殿は」
「今後は」
「わからぬ。少なくともわしは天下統一の為に動く」
 このことは変わらない信長だった。
「その中で本願寺が襲い掛かって来るならじゃ」
「その時はですか」
「本願寺もまた」
「今もじゃ。こうして三好を攻めておるがじゃ」
 その中でだ。本願寺がだった。第七十九話 人たらしの才その十一

「奴等が三好につけば。止むを得んかもな」
「左様ですか。ではその時は」
「織田家も」
「覚悟はしておくことじゃ」
 それはもうだ。絶対だというのだ。
「よいな。それではな」
「この三好攻めもまた」
「そうした意味では賭けですな」
「さて、本願寺がどう出るかのう」
 笑っていなかった。今度は。
「石山の傍も通る。目の前を通られて笑っていられるか」
「降りかかる火の粉と。我等をみなすかそうでないか」
「それ次第ですな」
 池田と森も信長の言葉に応える。そしてだ。
 二人に護られる信長のところにだ。岡本が来て報告した。
「殿、先陣の蒲生殿から報告です」
「忠三郎からか」
「はい、只今摂津に入りました
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# by okokabcd | 2013-10-11 15:03
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